叱られてつらいとき、楽になる考え方。~アドラー心理学「対人関係論」~
10,000冊プロジェクト
34冊目
『働く人のためのアドラー心理学
「もう疲れたよ・・・」にきく8つの習慣』
著:岩井俊憲
プロローグ アドラー心理学の基本にふれる より
人間は、それぞれ異なる「心のメガネ」で現実を見る
ーアドラー心理学の基本④ [対人関係論]
アドラー心理学の基本の最後、5つ目は「対人関係論」。
これは、人間はいつも
『特定の誰か』
(他者であることもあれば自分であることもある)
を想定して行動している
という考え方。
つまり、「人間の行動には『相手役』がいる」。
上司がささいなことで一人の部下を罵倒していたとします。
そのとき社長がやってきて上司の肩をポンと叩きました。
すると、社長にも不愉快な態度で対応するのかと思いきや
後ろを振り返るなり、態度が豹変し
「あ、社長おはようございます。何かご用ですか?」
と、まるで別人のように明るく丁寧にふるまう。
「部下」が「相手役」のときは、「こっぴどく怒る」
「社長」が「相手役」のときは、「明るく丁寧にふるまう」
「相手役」によって
こういう「行動や感情の違い」がある。
怒りという感情には、
「相手を支配したい」
「自分の気持ちを分かってほしい」
などの「目的」があります。
(基本②「目的論」参照)
「相手」が誰であろうと、
誰彼構わず怒る人はいないもの。
「人間の行動には、必ず『目的』があり、
『相手役』がいる」
と考えるのがアドラー心理学の「対人関係論」です。
職場ではおだやかでニコニコしているけど
家で一緒に住んでいる親に対しては
平気でわがまま言うとか。
(私か・・・)
必要以上に叱られたり、
理不尽に責められたときは
相手にとっての自分の立場と
相手が達成したい目的を
考えてみるといいですね。